皆さん、こんにちは。
先週のテーマ、
「インフルエンザに打ち勝つ方法!!」
はいかがだったでしょうか?
予防接種や人混みの多いところでのマスク着用は必須ですが、ご自身のウイルスに対する免疫力を上げるための食習慣も大切です。無理しない程度から少しずつ始めて、免疫力を高めることが習慣化していくといいですね。
さて、今週のテーマは、
「ダブル炭水化物を避けよう」
です。
ダブル炭水化物って言葉、ご存知ですか?「重ね食べ」とも言います。ラーメンにライス、玉子丼にうどん、パスタとパンのような組み合わせです。麺類とごはん類、パン類って、定食としてセットになっているので、ついつい注文してしまいます。そして、これがまたお腹いっぱいになるし、美味しいんですよね。
とても魅力的な組み合わせです。
ただ、ダブル炭水化物な食事をし続けていると、脂肪が溜まりやすくなってしまいます。
なぜか?
ご説明致します。
炭水化物が消化されると
炭水化物は消化の過程でブドウ糖に分解され、エネルギーとして肝臓に一時ストックされます。肝臓ってアルコールを分解するだけじゃないんですね。
そしてその肝臓は、エネルギーをストックしておける限界があります。その限界がおよそ400キロカロリーです。炭水化物で計算すると、100gの炭水化物しかストックできません。
お茶碗一杯(150g)分の炭水化物は、55gです。
かけうどん一杯分の炭水化物は、65gです。
ラーメン一杯分の炭水化物は、70gです。
パスタ一皿分の炭水化物は、80gです。
そば一杯分の炭水化物は、50gです。
丼一杯分の炭水化物は、110gです。
カレーライス一皿分の炭水化物は、110g
*数字は概算です。
ということで、ラーメンとお茶碗一杯分の炒飯を注文すると、70g+55g=125gの炭水化物を摂ることなり、肝臓がストックしておけるエネルギーを越えてしまいます。
ストックオーバーとなってしまった炭水化物は、そのまま脂肪として蓄えられてしまいます。飢餓に苦しんできた人間の知恵なのでしょう。余分なエネルギーは排泄されずに脂肪として蓄えるという仕組みを、人間は身につけています。
炭水化物の摂取量目安
厚生労働省のガイドラインによると、炭水化物の一日基準摂取量は、
男性=243g
女性=203g
です。
また、一日の総エネルギー量の60%は炭水化物から摂取するのが望ましいとされています。
一日の総エネルギー量が1500キロカロリーの方は、225gの炭水化物を摂取することが望ましいとされています。2000キロカロリーだったら、300gです。一日3食だとすると、一食あたり70g〜100gですね。
1回の食事で炭水化物を70〜100gにおさえようとすると、ダブル炭水化物ではオーバーしてしまうことが分かります。丼とうどんを合わせてしまうと、一食で200g近い炭水化物を摂取してしまいます。
- 炭水化物を摂っても良い1食分の基準は70g〜100g
- 炭水化物を摂っても良い一日あたりの基準は200g〜300g(性別や一日総エネルギー量によって個人差があります)
と覚えておきましょう。
ランチにダブル炭水化物を摂ってしまったら
そんなこと、分かっていても食べてしまう。
そうですよね。私もそうです。カレーはいつも大盛りですし、定食屋さんに行ったら丼に蕎麦をつけずにはいられません。
そこで、ランチで我慢しきれなかったなら、夕食では炭水化物をいつもより減らす工夫が必要かもしれません。メリハリが大切なんですね。
ダブル炭水化物の食事では、肝臓のエネルギーストック量をオーバーしてしまいます。ですので、せめて一日の基準摂取量だけは越えないように、夕食で調整したいです。
ただし、無理はしないで下さいね。まったく炭水化物を摂らないと、イライラしたり、便秘になったりして、ダブル炭水化物以上に不健康な状態になりかねません。その点はご注意下さい。
また、ダブル炭水化物をどうしても食べたいときは、野菜を食べて血糖値を急上昇させない工夫も合わせて大切です。
実は、ダブル炭水化物を避けた方がよい理由にはもう一つあって、血糖値が絡んできます。
炭水化物と血糖値、インスリンの関係
ちょっと難しい話になります。
炭水化物を摂取すると、消化されてブドウ糖となり血液を通して全身のエネルギー源となります。血液にブドウ糖が多い状態を血糖値が高い状態、高血糖といいます。
その高くなった血糖値を下げるためにインスリンがすい臓から分泌されます。インスリンはブドウ糖を全身の細胞に取り込ませたり、脂肪や筋肉などに蓄えさせて、血液中のブドウ糖濃度を下げます。
血中のブドウ糖が高濃度だと、糖化反応を引き起こして血管に障害を与えるそうです。インスリンは、この糖化反応を抑える働きがあります。
糖尿病の方は、このインスリンの量が少なかったり、働きが悪くなることで、血液中のブドウ糖を全身の細胞に取り込むことができずに、ずっと血糖値が高い状態が続いてしまいます。
こうなると、糖化反応によって全身の血管が損傷し、いろいろな合併症を引き起こす原因となってしまいます。
健康な人でもダブル炭水化物は避けた方が良い
ダブル炭水化物で血糖値が急上昇すると、今度はインスリンの働きによって血糖値が急降下します。お腹いっぱい食べたあと眠くなるのは、急激な血糖値の変化によるものです。
そして、低血糖状態になると、お腹が空いたと脳が勘違いしてしまい、空腹を感じるようになります。
すると、本当はお腹が空いているわけでもないのに、また食べてしまうという恐ろしい事態を招いてしまうようです。
ですので、自分は糖尿病ではないから大丈夫、とはいかないのですね。
ダブル炭水化物って、本当に恐ろしいですね。
三度の食事で適量を摂るのが理想的。だけど……
炭水化物は、満腹中枢を満たしてくれる栄養素であると同時に、ないとなかなか満腹中枢が満たされません。炭水化物を摂らないダイエット方法は、簡単なようで実はとてもストイックなダイエット方法です。
ダブル炭水化物な食事をしてしまったときは、次の食事で炭水化物を少し抑える必要がありますが、満足中枢がなかなか満たされないです。
そんなときはたくさんの野菜と肉でポトフにしたり、多めの野菜炒めを作りましょう。
野菜炒めのレシピはこちら(『フードサポート|一人前レシピ集』へとびます)
ただ、やはり血糖値の急上昇と急降下を抑えるためにも、炭水化物は毎度の食事で適量をとるのが理想的ですね。
復習
各食事の炭水化物目安量をもう一度見てみましょう。
お茶碗一杯(150g)分の炭水化物は、55g
かけうどん一杯分の炭水化物は、65g
ラーメン一杯分の炭水化物は、70g
パスタ一皿分の炭水化物は、80g
そば一杯分の炭水化物は、50g
丼一杯分の炭水化物は、110g
カレーライス一皿分の炭水化物は、110g
厚生労働省のガイドラインによると、炭水化物の一日基準摂取量は、
男性=243g
女性=203g
- 一日の総エネルギー量の60%は炭水化物から摂取するのが望ましい
- 一日の総エネルギー量が1500キロカロリーの方は、225gの炭水化物を摂取することが望ましい(例:2000キロカロリーだったら、300g)
- 一日三食だとすると、一食あたり70g〜100g
ちょっと難しい話しでしたが、結局のところ、
「ダブル炭水化物を避けよう」
ということですね。一週間の内で1日でもよいのでダブル炭水化物ライフを減らしてみて下さい。
例えば、
4日はダブル炭水化物という方は、3日にする。
3日はダブル炭水化物という方は、2日にする。
とか。
急に一切のダブル炭水化物を止めてしまうと、禁断症状が出て逆にトリプル炭水化物なんてことになってしまいかねません。
なので、無理のないように少しずつ減らして、最終的には
「ダブル炭水化物?いや、ダメでしょ。」
って自然と思えるようになりたいですね。
私は月に1度くらいラーメンが食べたくなるのですが、メニューにチャーハンがあるとついつい注文してしまいます……。ちょっとくらいそんな日があってもいいと思います。
それでは、また来週。
■■ 健康コラム バックナンバー ■■
- 01. 毎日体重計にのろう
- 02. 寝る3時間前までに食事を終えよう
- 03. 体ポカポカ、消化にもよいポトフを作ろう
- 04. 夕食の食べ過ぎを防ぐため、賢く間食しよう
- 05. インフルエンザに打ち勝つ方法!!