鶴橋へ:前編

鶴橋といえばコリアタウン。

まだを足を踏み入れたこともなかったこの地に、行って参りました。

JR環状線鶴橋駅のホームに降り立った私は、意気揚々と改札へ。しかし、いきなり鶴橋の洗礼を浴びることとなったのです。

電車を降りたらすぐに改札があり、なんて便利なんだと思って通り抜けようとしたらエラー。後ろにいたお姉さんは、「そんなとき、ありますよね。」と言わんばかりの笑顔で私を見送ってくれました。

鶴橋には、天使がいる。

私はそう確信しました。

代金足りなかったのか?と思い、駅員さんに尋ねてみると、なんとここは近鉄鶴橋駅の改札だったのです。

私を見送ってくれたお姉さんの笑顔の訳が理解できました。

きっと天使のお姉さんは、多くの新米乗客が近鉄鶴橋駅の改札という蜘蛛の糸の餌食になっているのを、たくさん見てきたのでしょう。

お姉さんは天使ではなく、戦いで傷ついた戦士たちを介護するナイチンゲールだったのです。

無事に駅前までたどり着き、かつての戦友と待ち合わせ。こっち側で良かっただろうかとウロウロしていると、見慣れた顔がノッシノッシと無表情で私に近づいてきました。かつての戦友は、あいからわずでした。安心したような、安心できないような、複雑な感情がこみ上げてきました。

さて、とりあえず適当にブラブラしながらお互いの近況を語り合っていると、あるお店の前で焼肉を焼いているおばさんが。

辺り一面煙だらけなのにお構いなし。たくさん肉を焼いて、ボールに入れていました。あれは何のために焼いていたのでしょうか?

焼肉おばちゃんを通り過ぎると、商店街のアーケードを発見しました。きっとこの中がコリアタウンなんだろうと思って我々は突撃を敢行しました。しかしそこに目標はなく、我々は引き返すこととなりました。

焼肉おばちゃんの店を再び通ると、まだ焼肉を焼いていました。しかもおばちゃんはおらず、山積みになった肉だけがモクモクと煙を上げながら焼かれています。

私は悟りました。焼肉おばちゃんは敵のスパイだったのです。そして私たちが近づいていることを仲間に焼肉の煙で知らせていたのです。そうに違いありません。

再び駅前に戻り、地元っぽいおじちゃんにコリアタウンの場所を尋ねました。どうやら反対方向に歩いていたようです。しかし、おじちゃんもまた敵のスパイかもしれません。おじちゃんの言うとおりに行ってみたら、そこに敵が待ち伏せしている可能性も否定できません。情報を得つつも鵜呑みにはせず、緊張感持って前進することにしました。

とりあえずおじちゃんの言うとおりに前進していると、路地向こうにコリアタウンっぽい景色が広がっていたのでそっちに進路を変更しました。最初は黄色い看板のキムチ屋さんがあったり、韓国食材のお店だったりがあって、それっぽいところだったのですが、気がつくと迷路のような住宅街に入ってしまいました。

「しまった。罠だ。」

最初のそれっぽいお店は囮で、私たちを誘う罠だったのです。

すると戦友は、オレについてこい、とばかりに無言で私の前を歩き始めました。ここは彼に任せ、私は背後の警戒に専念することにしました。

続く
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